先端技術情報

セイシン企業の先端技術のご紹介にあたり

セイシン企業は、これまで半世紀にわたり、真剣に“粉”と向き合って参りました。創業当時は、ものを創るうえで基礎となる“粉”の物性、なかでも粒度分布が重要であるとの認識から光透過遠心沈降式粒度分布測定器「ミクロン・フォト・サイザー」を世界に先駆け世に送り出しました。その後、粉体物性測定器は磨きをかけ、今では現場に適した自動化を実現しております。・・・

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技術資料

2021年6月(No.1)
粉体粒子の球状化・造粒・複合化を可能にする装置(NSM)の開発
Development of a Device called NSM enabling Spheroidization, Agglomeration and Surface Coating for Powder Particles

【要旨】本稿では、弊社が開発した粉体粒子の球形化、造粒、複合化を可能にする新しいタイプの高速攪拌型粒子球状化装置「NSM」を紹介する。NSM は、Natural Graphite Spheroidization Machine の略語であり、当初の目標は、黒鉛粉体粒子の不規則な板状形状を球状化することであった。黒鉛粉体は、粉砕で製造されるが、へき開性由来により粉砕物(粉体)の粒子形状は不規則であり、それを何らかの方法で球状化できれば、粉体粒子充填構造が密になり、導電性等が向上するなど粉体特性の改善が期待できるからである。開発グループは、装置の基本構造を縦型の粉体処理容器とし、その底面中央に高速回転できる攪拌翼を設置する構造とした。容器に黒鉛粉体を投入して装置運転した結果、黒鉛の粒子形状が球状化できることを確認した。また、黒鉛粉体に対してバインダーを添加して NSM を運転したところ、黒鉛粉体が適度な粒子径の造粒体を形成し、その粉体のタップ密度が向上することも明確にした。さらに、例としてポリエチレン樹脂(PE)粉体(粒子径:100~200µm)と黒鉛粉体(平均粒子径=約 8µm)を NSM で処理すると、PE 粒子表面が黒鉛微粒子で被覆(コーティング)されることも確認している。
NSM は、前記のとおり、黒鉛の球状化のための装置であるが、その後実施した多数の実験から、その能力が、黒鉛に留まることなく他の粉体に対しても発揮できる可能性が高い。粉体加工装置 NSM が粉体を取り扱う産業分野で活用されることを願っている。

セイシン技報 2021年6月