Q1:アミノ酸って何ですか?
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人間の生命維持に必要な三大栄養素は、たんぱく質(アミノ酸)、糖質(炭水化物)、脂質で、どれ1つが欠けても生命維持が成り立たちません。
アミノ酸とはたんぱく質の構成成分で、肉や魚、野菜や穀類など、ほとんどの食品に含まれている大事な三大栄養素の1つです。体内で利用するためにたんぱく質はアミノ酸に消化分解され、体内に吸収されます。
アミノ酸の種類は、食事からしか取れない必須アミノ酸(9種類)と、体内で合成している非必須アミノ酸(11種類)に大別されます。
Q2:たんぱく質の摂取量は、一日どれ位摂ればいいの?
一日のたんぱく質摂取量は個人の生活活動強度などによって違ってきますが、厚生労働省 の「日本人の食事摂取基準(2010年版)」 の中では、“健康な個人または集団を対象として、国民の健康の維持・増進、エネルギー・栄養素欠乏症の予防、生活習慣病の予防、過剰摂取による健康障害の予防を目的とし、エネルギー及び各栄養素の摂取量の基準を示す”という前提で、30~49歳の平均では男子60g 女子50g が一日の推奨量とされています。

Q3:アミノ酸、特に必須アミノ酸が不足すると、どんな症状がでるの?
疲れやストレスが溜まりやすくなり、熟睡しにくく、半健康状態となるようです。
極端な場合、アフリカ等の食料危機の悲惨な報道で見られるように、最後は死にいたる可能性もありますが、現在の日本ではそのようなことはほとんどなく、むしろ強いストレスや偏食等でアミノ酸のバランス(アミノ酸の桶の理論)が崩れ、アミノ酸が若干不足気味な半健康な人の存在が多いと推定されます。
半健康人と思われる人は、まずは10日間程度継続してアミノ酸製剤を試してみて、症状が改善されれば、その症状はアミノ酸不足からきていると言えるでしょう。
Q4:アミノ酸不足の最も良い解消法は?
良質のたんぱく質を含む肉類や魚、植物系(大豆などの穀物など)など食事を中心に、一日自分の体重の1kg当り1.18g/日(60kg体重の人は、約70g/日)を摂取すると良いとされています。
ただし、あくまでタンパク質は食事から摂取するものであり、それでも半健康状態の各症状が改善しない人に、初めてアミノ酸製剤の摂取を推薦するものです。
Q5:アミノ酸製剤の原料は、何から作られているの?
医療分野で40年以上、点滴栄養成分や経腸栄養剤で救命実績を持つアミノ酸は、主にサトウキビや澱粉などから発酵法で造られており、さらに国内生産の為、非常に安全性が高いです。
また、食事で摂取したタンパク質が、体内で利用される際のアミノ酸と全く同じ構造のものであります。
Q6:アミノ酸製剤の安全性は大丈夫?
重度の腎臓疾患で、医師に食事のタンパク食制限を指導されている方、またはアミノ酸代謝機能不全等(フェニールケトン症等)で同じくタンパク質食制限を受けていない人で、成人であれば問題ありません。
ただし、成人以下の人は、基本的に食事からタンパク質を補うべきであるという考え方から、アミノ酸製剤の摂取は基本的には勧めておりません。
Q7:アミノ酸製剤の摂取量は、一日どの程度摂っていいの?
各症状の内容により違ってきますが、分かりやすく説明すると、
半健康状態 : アミノ酸製剤2g~6g/日
これ以上の摂取は経済的でなく、普通の食事をしているのであれば、それ以上の量を摂取しても効果に変わりないとされています。
Q8:プロテイン食品とアミノ酸製剤の違いは?
プロテイン食品は、食品のタンパク質だけを濃縮したもので、主に大豆プロテインが流通しています。これは、大豆に含まれる、油脂分や糖質が取り除かれており理想的でありますが、5~6倍に濃縮されている分摂取量に気を使うべきです。
50g/日が、大豆250gから300g食べたのと同じ量(納豆が50g/パック)であり、更に必須アミノ酸は30~40%、非必須アミノ酸が60~70%と、量的問題とアミノ酸バランスに注意する必要があります。

【アミノ酸の桶の理論】

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Q1にあるように、アミノ酸はたんぱく質の材料になる重要な成分です。しかし、特定の必須アミノ酸が不足すると、それを材料の一部とするタンパク質が十分に合成されません。上図はそれを「桶」に例えたものですが、他のアミノ酸がいくらたくさんあっても、一番少ないアミノ酸の量の分しか水はたまりません(この水が「たんぱく質」にあたります)。つまり、水がたまる分しかアミノ酸は有効に活用されないので、他にたくさん摂ったアミノ酸がムダになってしまう。そのため、アミノ酸をバランスよく摂取することは、とても重要になってきます。これが「桶の理論」と呼ばれています。