概要

会社概要

設立 昭和43(1968)年8月28日
事業内容 粉体工学関連機器の製造販売
プラントエンジニアリング
受託粉体加工
新素材開発
健康食品事業
輸出入貿易
資本金 3億円
売上高 57億円(平成25年3月)
代表者 代表取締役社長  岡本 浩
常務取締役        三島 重信
取締役              小野村 雅史
取締役              佐藤 高公
取締役              五藤 吉博
監査役              石川 剛
社員数 293名
平均年齢 男性35.6歳 女性28.2歳

沿革

1968(昭和43年)
千代田区麹町に資本金300万円で株式会社セイシン企業を設立
1973(昭和48年)
資本金を1200万円に増資 新宿区市ヶ谷に移転
1978(昭和53年)
渋谷区千駄ヶ谷に移転(現本社事務所)
1981(昭和56年)
資本金を5000万円に増資
1982(昭和57年)
受託粉砕専門工場として、埼玉県埼玉郡に利根川工場を開設
1983(昭和58年)
創立15周年記念行事粉体工学大講演会を開催。
1985(昭和60年)
埼玉県川口市に荒川計装工場を開設
1986(昭和61年)
山口県宇部市に宇部支店を開設(後日、西日本支店と改名)
1987(昭和62年)
大阪府吹田市に大阪支店を開設
埼玉県戸田市に戸田工場を開設
1988(昭和63年)
愛知県名古屋市に名古屋支店を開設
創立20周年を記念して、第3回粉体工学大講演会開催。講師17名、祝賀パーティーには750名が参加。
健康産業課を新設。カニ殻健康食品「カニキチン」を発売。
1991(平成3年)
韓国ソウル市に韓国支店を開設
1993(平成5年)
福岡県北九州市に響灘工場を開設
1995(平成7年)
宮城県仙台市に仙台支店を開設
1996(平成8年)
中国宜興市に合弁会社宜興清新粉体機械有限公司を開設
資本金を3億円に増資
1997(平成9年)
宮城県仙台市に100%子会社の株式会社はつらつを開設
香川県高松市に四国営業所を開設
栃木県今市市(現 日光市)に今市工場(後日、日光工場と改名)を開設
1998(平成10年)
創立30周年を記念して、「粉体工学フォーラムと記念祝賀会」を開催
2000(平成12年)
中国上海市に上海事務所を開設
2001(平成13年)
韓国に合弁会社JSテック株式会社を開設
2002(平成14年)
今市工場新棟完成
宇部支店から西日本支店に改称
戸田工場拡張移転
岡山県岡山市に岡山営業所を開設
島根県安来市に安来食品工場を開設
2003(平成15年)
食品添加物製造業営業許可取得(響灘工場)
毒物劇物製造業登録(響灘工場)
中国江蘇省宜興市に清新粉体技術(江蘇)有限公司を開設
2004(平成16年)
今市工場から日光工場に改称
上海事務所から上海玄新貿易有限公司に改称
2005(平成17年)
取締役会長就任 植田玄彦(1月)
代表取締役社長就任 岡本浩(1月)
2007(平成19年)
大阪支店移転
2008(平成20年)
名古屋支店移転
第5回粉体工学大講演会、40周年記念パーティー開催
2009(平成21年)
上海玄新貿易有限公司から上海清心玄浩貿易有限公司に改称(5月)
2012(平成24年)
山口県宇部市に山口宇部寿工場を開設
2013(平成25年)
茨城県古河市に古河開発研究所を開設
2014(平成26年)
古河開発研究所内に北関東営業所を開設
神奈川県厚木市に南関東営業所を開設
福岡県福岡市に九州営業所を開設
富山県富山市に富山営業所を開設
渋谷区千駄ヶ谷内で本社移転
非常勤取締役相談役 就任 植田玄彦(10月)
常務取締役 就任     三島重信(10月)

粉体技術の歴史と実績の蓄積

セイシン企業は平成30年に創立50周年を迎えます。創業当時の昭和43年といえば、日本が未だ粉粒体処理技術の黎明期にあり、粉体工学という学問の分野すら確立されていない時代でした。この様な時代にセイシン企業では、将来の日本が優秀な製品を創り出すためには、その原料の基となる粉体の物性測定が必ずや必要となることを確信致しました。

その中でも、最も基礎となる粒度分布を測定する装置として、光透過遠心沈降式粒度分布測定器「ミクロン・フォト・サイザー」を世界で初めて世に送り出しました。以来41年、広い分野のお客様からのご指導やご協力を糧として、粉体処理技術の研究開発一筋に今日まで邁進し、粉体物性測定器として、各種カサ密度測定器や真比重測定器、精密ふるい分け機などを次々と開発し、更にこれらの測定器のラボラトリーオートメーション(LA)化のご要望を受け、全自動ふるい分け測定器ロボットシフターをはじめ、全自動粉体物性測定器オートマルチテスター等を次々と開発致しました。

又、粉体加工機械分野では、気流式粉砕機「ジェットミル」シリーズや気流式乾燥機「フラッシュジェットドライヤー」、各種造粒機、混合機、分級機、付着粉体払い落とし装置など、あらゆる“粉を造る”ための先端装置を開発して参りました。

この長年の開発、技術革新と、粉のふれあいを通じて培われた経験により、必ずしも机上の理論通りには行かない実際の粉粒体ハンドリングの膨大なノウハウを蓄積して参りました。お蔭様で現在では、お客様のあらゆるニーズに対応できる「粉粒体技術のプロ」として絶大なご信頼を頂く粉体機器のトップメーカーに成長致しました。

今後は弊社の粉体技術を駆使し、更によりベターな機器の開発に努力すると共に、受託粉砕・乾燥・分級・造粒といった加工業務や各種測定業務、更にこれらのノウハウを活かした各種健康産業やリサイクル事業などの期待される新しい産業分野にも進出し、日本の明るい未来に貢献して参ります。

粉体技術の産業界へ貢献

現代の産業界では、ほとんどの分野で大きく粉体がかかわっていますが、製品の高品質化と多様化にともない、原料粉体も高級化、多品種化、あるいは多機能化へと大きく変化して来ました。更にハイテク産業の急速な進歩に対応するためには、新素材や複合材料の研究開発、粉体の超微粉化が不可欠になっております。この様な産業界のニーズに素早く、的確に対応できる粉体技術は一朝一夕に築くことは不可能です。

セイシン企業では「粉砕」という工程一つをとっても、気流粉砕、機械粉砕、冷凍粉砕、化学粉砕等があり、長年にわたり粉と触れ合って来た経験や実績に基づいた万全なノウハウにより、それぞれの粉体と、その用途に適した方法や機種を選ぶことが出来ます。

又、次々と新製品が開発され、商品寿命が短くなってきた事による設備投資の大きなリスクや、作業管理、公害管理などのお客様の繁雑な作業を省いて戴くために、受託粉体加工専門の利根川工場、北九州響灘工場や日光工場(旧今市工場)があります。これらの工場では、お客様よりいただいた原料を希望粒径に粉砕してお返しするという、受託粉砕を始めとした各種加工業務を行っており、上記各種粉砕機の他に、分級機、大型ふるい分け機、乾燥機、造粒機、混合機、表面処理等々、少量サンプル用の小型機から、月間処理能力数百トンの大型機まで各機種をそろえ、あらゆるご要望にお応えしています。

更に、受託業務としては粉体加工の分野だけでなく、粉体測定センターにて各種粉体物性測定も承っております。ほとんどの粉体物性測定に対応できますので、単発的に発生する測定や頻度の少ない測定など、機器購入に至らない場合などに大変便利にご利用いただけます。

弊社では粉体工学界の権威の先生方を顧問としてお迎えし、パウダーテクノロジーのコンサルタントとして更に広く産業界のサポートをして行きたいと思っています。

世界に広がるセイシンネットワーク

今やセイシン企業の製品は、中国、韓国、台湾、タイ、シンガポール、インドネシア、インドなどのアジア諸国をはじめとして、東欧、ロシアを含むヨーロッパの国々、アメリカなど、世界のほとんどの地域に輸出され、研究・開発や粉体加工に活躍しています。

又、粉体技術の啓蒙やコンサルタントも行っており、この分野で発展途上国の技術向上のお手伝いもしております。それと共に欧米を中心とする海外のユニークな製品を輸入し、日本のユーザーへの紹介にも積極的に取り組んでいます。

米国だけを例に取っても、ATM社のロータップ型ふるい分け振とう機「BSシーブシェーカー」やギルソニック社の自動制御音波振動式ふるい分け測定器「ギルソニックオートシーバー」等があります。

一方ヨーロッパからは、エンデコッツ社のふるい分け振とう機、又、数多くの優秀な粉体関連機器を輸入販売すると共に、これら各国との最新の粉体技術関連情報も交換しています。

更にアジア地域においては韓国に合弁会社JSテック株式会社を、中国地域には合弁会社宜興清新粉体機械有限公司、上海清心玄浩貿易有限公司、清新粉体技術(江蘇)有限公司を設立。これらの海外拠点を通じ粉体技術の啓蒙と技術交流を深めています。

リサイクルと環境保護に活かす粉体技術

環境保護とリサイクルが世界的規模で叫ばれている中、日本でも大量に発生する各種廃棄物の処理が大きな問題になっています。海外の多数の国では,廃棄物の処理に関する多岐にわたる法律が制定され、環境対策への真剣な取り組みがなされていますが、本邦でも既に平成3年には再資源化促進法、平成7年には容器包装リサイクル法が制定され、廃棄物の再利用促進、分別や,再商品化の促進が義務づけられる様になっております。

中でもPETボトルは再資源化が可能であり、国家的プロジェクトとして、その資源的利用法が模索されてきました。この様な状況の中でセイシン企業もPETボトルの再生資源としての利用の研究に取り組み、付加価値が高い粉体塗料の利用法を開発致しました。

この技術は将来の環境対策に有効と認められ、平成9年度、財団法人クリーンジャパンセンターの国家補助事業として認定され、株式会社セイシン企業が管理と運営に当たる「再生PET粉体塗料化実証プラント」として、栃木県日光市に日光工場が完成し、平成10年5月より本格的稼動を開始しました。本実証プラントは,再生ペレットの粗粉砕、変成・着色、熱処理、微粉砕・分級、表面処理などの一連のプロセスで粉体塗料を製造するものですが、有機溶剤の塗料に比べ、環境にやさしい塗料として成長が期待されています。

また、セイシン企業は受託加工業の長年の経験から培われてきた粉砕・分別そして複合化の技術によりあらゆる廃棄物の再生化も行っております。近い将来、本実証プラントによる技術が我が国に広く普及して、再資源化事業の促進に貢献し、延べては日本の住環境を改善する一助になることを念願しております。

健康に役立つ粉体技術

昭和63年にカニ殻の粉砕処理をきっかけに、カニ殻の中に含まれている「キチン・キトサン」を主成分とした健康食品「カニキチン」を発売以来、当社の健康食品の歴史が始まりました。その後、当社の粉砕技術を駆使し、「サメ軟骨」を超低温にて粉砕し、超微粒粉末にした製品「ベターシャーク」と錠剤タイプの「スーパーシャーク」、更に必須アミノ酸を主成分とした栄養補助食品「アミノサポート」、「アミノ凛凛」などを次々と発売して参りました。また、当社のバイオ技術、粉砕技術を駆使して完成したマンネンタケ菌糸体抽出物「克元勝(かつげんしょう)」を、21世紀最初の新製品として発売しました。

近い将来、高齢化社会を迎える日本も、限界になりつつある保険医療制度や、医療費高騰など、様々な問題をかかえています。このような状況の中で、健康についての関心度は高まる一方です。今後、予防医学に力を入れていく必要が問われていると言っても過言ではなく、健康食品の社会的役割も大きくなって行くことが予想されます。

当社の健康産業事業部は、これからも健康について真剣に考え、研究を進め、新しい時代と対応する健康食品を開発して参ります。

新素材開発・高度利用

当社では、長年に渡る粉粒体加工機器の開発、並びに受託粉体加工等にあける経験の蓄積から、粉粒体加工技術を次世代商品開発のコア技術と位置付けし、更なる技術開発、また用途開発にも力を注いでいます。当社独自のケミカル粉砕法(溶解、析出法によるポリマーの微粒子化)、複合化処理技術等、他社の追随を許さない極めて高度な粉体加工技術を中心に、新素材開発を推進しています。

一例として、将来のインターベンション治療に向けた新素材開発、高度なコーティング技術開発にも積極的に取り組んでいます。カテーテル、ガイドワイヤー、ステントなどの血管関連医用デバイスや、内視鏡、栄養チューブ。吸引チューブなどの消化関連医用デバイスには、挿入操作をスムーズにして、疼痛、癒着感染などの原因となる生体組織損傷を軽減する易滑性(すべり易さ)と同時に、血栓などの生体成分の付着を抑制することが求められています。しかし、これまで医用デバイス表面に抗血栓性(血液のかたまりを付着し難くする)と易滑性を同時に、かつ簡便に付与することは困難でした。

セイシン企業では、血液適合性に優れた材料(エチレン/アクリル酸共重合体、EAA)をシェルとして、低摩擦性材料であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)微粒子をコアとした複合微粒子を、静電粉体塗装及びディップコートによりデバイス表面に付着させ、EAAを溶融し、PTFE微粒子を表面に露出させることにより、抗血栓性と易滑性を同時に医用デバイス表面に付与する方法を開発しました。

平成13年度、科学技術振興事業団より特別融資を受け、当社の日光工場(栃木県)に新設された第3工場棟内に、複合微粒子製造設備並びに各種デバイスへのコーティング設備を建設し、3年間の開発プロジェクト(プロジェクト名称:易滑性と血液適合性を有する医療用具用コーティング剤の製造技術)が完了しました。